相互エーナミ | ナノ



沢山の愛をあげるから、




同じだけの愛で返してほしい。











変わる景色が怖いだけ










「ナミ、好きだ」
「うん。知ってる」
「お前は?」
「分かってるくせに。」


情事後のベッドの上、ふふ、と柔らかくナミが笑った。
腕の中にいる存在を、離したくないなと思う。


それと同時に、めちゃくちゃに壊したいな、とも思う。






ナミはいつも、言葉をくれない。

照れてるような様子もなく、当たり前のように“伝わってる”と思ってる。



ナミから好かれてない、などと思うことは無いけど、それでも。
俺の“好き”と、ナミの“好き”。
どっちが大きいかなんて、もう比べるのも哀しくなるほど。

もしかしたら“好き”の種類でさえ違うんじゃないかなんて、そんな不安に駆られるほど。







「ナミって好きでもない奴と身体とか重ねるわけ?」
「は?」


何言ってるの、とでも言いたげな瞳。
それでも俺の声のトーンは低いまま、ナミの瞳から目を逸らすことすら出来ない。



(これ位の意地悪、許せよ、)









**










エースはいつも、言葉を欲しがる。

言葉にしなくても伝わるという私の考え方を、エースは酷く嫌う。
直接「嫌い」なんて言われたことなんて無いけど、多分嫌なんだと思う。




だって普通、分かるでしょ?
好きじゃなかったら身体なんて重ねないし、抱き締められて気持ち良いだなんて思わない。


エースからはいつも、私のこと大好きって気持ちがだだ漏れで、それがどれだけ嬉しいかなんてエースはちっとも気付いてない。

目の前の瞳はいつだって不安気に揺れている。

愛されることに、愛することに不器用なこの男を、とても愛しいと思っているのに。










「エース、私のこと何も分かってない」
「分かってないのは、ナミだろ」
「もっと自信持ってよ」
「何の、」





ちゅ、と可愛らしい音がした。

好きだからした、唇へのキス。





「あんたが思ってる以上に、あんたのことが好きよ、きっと」
「  きっと、って何だよ」



回された腕に力が篭ったおかげでエースの顔は見れなかったけど、きっと泣きそうな顔をしているに違いない。だって、声が震えてる。







こんな一言で彼の不安が消えるなら、たまには言ってあげてもいいかもしれない。




「ナミ、もっかいしたい」
「うん、いいよ」




今日はいっぱい甘えて、いっぱい好きって言ってあげよう。































そう誓ったのに。






(前言撤回、もう言ってあげない!)




翌日、全身に圧し掛かる重く鈍い痛みに昨夜の発言を後悔するのはまた別の話。















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相互記念作品。
『Uran』管理人のuki様へ捧げます^^

だいすっきーーーーっ!
これからも宜しくお願い致しますm(_ _)m
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