こんな生活も悪くない






朝、目を覚ましてふわりと漂ってきたのは、美味しそうな朝ごはんの匂い。
あぁ、そういえば昨日はフランシスの家に泊まったんだっけ。
そんなことを考えながら温かいベッドを出て、気がついた。

「ん…?」

服がない。
下着すらない。
つまり私は今、素っ裸の状態でベッドの上にいることになる。
何故かベッドには枕が2つ。
更に腰の痛みまで揃えば、昨夜何があったか生々しく想像できた。

「しかもフランシスの奴…」

中に出した。
駄目って言いながら流されたのがいけなかったんだけどさ…。
ぶつぶつとベッドの上で呟いていると、部屋のドアが開いて。

「なまえ、朝飯が…ん?まだ着替えてなかったのか」

お兄さんが手伝ってあげようか?
だなんて言いながら、によによと嫌な笑顔を浮かべて押し倒してくる。

「朝から、ありえない…っ!」
「はいはい、わかったよ」

夜にたっぷり味わうことにするから。
ちゅう、と軽く酸欠になるんじゃないかと思うくらいに長い口づけの後。
優しく抱き締められて、まんざらでもないだなんて。
私もずいぶんとこの変態に惚れ込んでるな、そう思って頬が熱くなった。




─こんな生活も悪くない─


(そういえば、昨日中に出したでしょ?)
(あー、昨日は駄目な日だったもんな)
(…子供、できたら責任取ってよね)
(できてなくても責任取るよ)
(…っ!)



2009.11.16 修正



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