ボケ
「ぎ、銀さん!なまえさんが来ましたよ!」
「あ?」
ジャンプを読んでいる途中、新八の声で我に返る。
そういえば今日は、
「うちに片づけ手伝いに来るって言ってたな…」
そう言った後に、はっと気づいた。
床を見下ろせば、ジャンプの山。
彼女が来たら呆れるに違いない。
ヤバい、
そう思ってジャンプに手をのばした瞬間。
「銀時さんっ」
「のぉわっ!?」
突然の声に、肩を上げる俺。
それを見て彼女はくすくすと笑う。
「ほら、片づけましょう?」
なんて、優しいことを言ってくれる彼女に癒されたのもつかの間で。
突然黙り込んだ彼女の視線の先には、いかがわしい、世間でいうエロ本がぱさりと落ちていた。
「…なまえ?」
「銀時さん、」
こんなの読んでるんですか?
ちらり、エロ本を冷たい眼差しで見やった後。
彼女は、俺に向かって言い放った。
「そんなに溜まってるなら、」
言ってくれればよかったのに。
そう言う彼女の後ろで、神楽がにやにやしながら俺らを見ていた。
─ボケ─
花言葉は、平凡。
(神楽、どういうことだ?)
(え、銀ちゃん何言ってるアルか?)
(これ、どこから持って来たんだよ)
(サドが置いていったネ)
(ちょっくら真選組に行ってくるわ)
(旦那、礼なんていりやせんぜ)
2008.07.04
2010.03.10 修正
くみこさまへ!
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