ボケ





「ぎ、銀さん!なまえさんが来ましたよ!」
「あ?」

ジャンプを読んでいる途中、新八の声で我に返る。
そういえば今日は、

「うちに片づけ手伝いに来るって言ってたな…」

そう言った後に、はっと気づいた。
床を見下ろせば、ジャンプの山。
彼女が来たら呆れるに違いない。
ヤバい、
そう思ってジャンプに手をのばした瞬間。

「銀時さんっ」
「のぉわっ!?」

突然の声に、肩を上げる俺。
それを見て彼女はくすくすと笑う。

「ほら、片づけましょう?」

なんて、優しいことを言ってくれる彼女に癒されたのもつかの間で。
突然黙り込んだ彼女の視線の先には、いかがわしい、世間でいうエロ本がぱさりと落ちていた。

「…なまえ?」
「銀時さん、」

こんなの読んでるんですか?
ちらり、エロ本を冷たい眼差しで見やった後。
彼女は、俺に向かって言い放った。

「そんなに溜まってるなら、」

言ってくれればよかったのに。
そう言う彼女の後ろで、神楽がにやにやしながら俺らを見ていた。




─ボケ─
花言葉は、平凡。


(神楽、どういうことだ?)
(え、銀ちゃん何言ってるアルか?)
(これ、どこから持って来たんだよ)
(サドが置いていったネ)
(ちょっくら真選組に行ってくるわ)
(旦那、礼なんていりやせんぜ)


2008.07.04

2010.03.10 修正
くみこさまへ!


[ 38/79 ]

[*prev] [next#]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -