サザンカ





「今回も面倒な依頼だよな」
「でも銀ちゃん、」

きっと今回はたくさんお金貰えるよ、
だなんてことを言って笑っている彼女は、ただのサポート。
実際はお妙と同じキャバクラで働いていて(俺は何度も止めておけと言った)。
ホストという同じ種族のものを見るためだけに、今回はついてきた。

「それにしても、お酒たくさんあるよね」

あたしも飲んでいいかな?
そう言うが早い、ぐびぐびとそれを喉に流していく。
それはまるで、俺や新八が止める声など聞こえていないとでも言うように。
まぁ、そんなにたくさん飲めば当然酔っ払うわけで。

「銀ちゃーん、だっこ」
「待て待てなまえ…」

新八も神楽もいるというのに、俺の首に腕を絡ませてくる。

「あたしは、ホステスだよ?」
「わかった、わかったから」

ちょっと離れてろ。
そう言ってはみても、彼女が離れる様子はなくて。
もうどうにでもなってしまえ、
と彼女を抱き上げた、のだが。

「お姫さまだっこがいい、」

何とも可愛らしい我が儘のおかげで、苦笑しか漏れなくなる。
はいはい、なんて気の抜けた返事をすればきっと彼女は怒るだろうから。
冗談混じりに、言い放ってやった。

"オッケー、我が命にかえても"




─サザンカ─
花言葉は、理想の恋。


(銀ちゃん、セリフがクサいネ)
(銀さん、そんなこと知りませーん)
(女の子を口説くなら、もっと甘くしないと駄目アル)
(…そういうもんじゃねーだろ)
(全く、これだから銀ちゃんは天パなんだヨ)


2008.09.19

2010.03.10 修正
紗羅さんへ!

これもひどい。


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