ゲッケイジュ





「なまえちゃん、ご指名よ」
「はい、今行きます!」

今日は5番テーブルか…。
小さくため息をついて、テーブルへと向かう。
最近は、お得意さまが増えて嬉しいところだけど。
それ故に、セクハラも増えてきていて。
少しだけ憂鬱な気分でテーブルへと向かう。

「ご指名いただいたなまえです」

にこり、営業スマイルでお客さまを見上げる。
が、正直な話、想像を越えていて腰を抜かしそうになった。

「え…」

見れば、明らかに仲が悪そうな男たちと、それを楽しそうに見る男の3人。
しかも、そのうち2人は黒い隊服に身を包んでいる。

「あ、そこのお姉さん、」

俺の隣に座んねーか?
ニヤリと笑って私を見て。
自分の隣あたりを指差す銀髪の男。

「別に構いませんが…」
「いや、ここは俺の隣に座るべきだろ」
「こんな奴の隣に座ったら、マヨ臭くなりやすぜィ」
「あ?」

てめェ…。
ゆらり、立ち上がる男に向かって暴言を吐く青年は至極楽しそうで。
どうしようかと銀髪の彼を見る。

「まぁ、いいんじゃねーの?」

いつもの事だし。
それより、と私の腕を引いた彼は妖しく笑った後、頬に口づけてきて。

「今、何を…っ!」
「お姉さんならわかるでしょ」

真っ赤に染まった私の頬に、微笑を浮かべた。




─ゲッケイジュ─
花言葉は、勝利。


(俺、万事屋ってのをやってんだ)
(へぇ…万事屋さんですか)
(あ、いや、名前は銀時っていうんだけどな)
(銀時さん、ですね)
(あぁ、よろしくなーなまえ)
(な、なんで私の名前を…!)
(さっき自己紹介したろ)



2008.07.13

2010.03.10 修正
りょうかさまへ!
これは逆ハーのところに移した方がいいのだろうか。


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