風紀委員長×会長
ファーストコンタクト(中学時代)
 
 
 
 
 
 
 
 
冷たい風が吹き抜ける。
小さな体を揺らしながら歩くのは笹堵望。
寒空の下、寮に戻るため中庭を歩いていた。
 
 
「寒…」
 
今朝望は急いでいたため、マフラーも手袋も忘れてしまい、上着はブレザーだけである。
 
 
「早く部屋に帰ろ…。」
 
と小さく呟き足早に寮に帰ろうとしていると、向かいから人影が見えた。
 
 
(あ、アイツ知ってる…。無駄に大人っぽいやつだ。)
 
 
向かいから歩いてきたのは青い髪に深い緑の目をした黒滝龍斗である。
 
(アイツしゃべったことないけど、キツそうで怖い…)
 
 
望と龍斗がすれ違う丁度その時、今日一番の強い風が吹いた。
 
 
「ふぎゃっ」
 
あまりの強さに望は奇怪な声をあげた。
 
 
「ふっ…」
 
そんな望を振り返り見た龍斗は少し驚いた後、可笑しそうに笑った。
 
「大丈夫か?随分と寒い格好だな。」
 
龍斗は余程面白かったのか、まだ笑っている。
 
 
「わ、笑うな!」
 
未だに肩を震わせている龍斗を見て言った。
 
「しょうがないだろ!マフラーも手袋も忘れたんだから!」
 
望は恥ずかしいのか顔を赤くしながら龍斗に向かって叫んだ。
 
 
やっと笑いが治まったのか、小さく息を吐き、自分のマフラーを外し、望に巻いた。
 
 
「寒いだろ。それでも着けてな、やるよ。おチビちゃん。」
 
 
龍斗はそう言って望の頭を撫でた。
 
じゃあな、と言って龍斗は校舎の方に消えていった。
 
 
 
「チビじゃねーってのっ!」
 
龍斗のマフラーを握りしめながら叫んだ望は真っ赤な顔を隠すようにマフラーにうずめ、寮へと走っていった。
 
 
 
 
 
 
 
次の日龍斗にマフラーを返そうと探し回ったが、結局見つからず、返せたのは龍斗が風紀委員長の座に就いた、高1の秋の事だった。
 
 
 
 
 
 
「よぉ、待ってたぜ。おチビちゃん。」
 
「だからチビじゃねーってのっ!」
 
 
 
ここから二人の戦いが始まったのである。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 
 
前力疾走!様と相互記念小説です。
 
短編の風紀委員長と会長の出会い。
会長も風紀委員長も相変わらずな感じです^^
 
ぽむた様のみお持ち帰りお願いします(^^)
 
ぽむた様ありがとうございます!!(´∀`)
これからよろしくお願いします\(^O^)/
 
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