寝てれば、いつもドSな彼も可愛いいのだから癒し写真として残しておきたいと思い、パシャリ、携帯で沖田さんの寝顔を撮ってみた。
彼女である私よりも可愛いなんてずるい奴だ、と思いながら携帯をポケットに突っ込もうと思えば突然腕を捕まれ携帯をポケットの突っ込むのを阻まれた。


「おおおおお沖田さんん!」
「…何やってるんでィ」
「しゃしゃしゃ写真を撮らせて頂いてましたっ!」


ああああああ、私の馬鹿。
なんでばか正直に答えてしまったの!
これで確実に私のこの携帯は壊される…、小さな絶望感を味わっていると沖田さんはフッと小さな微笑み、再び眠りについてしまった。
破壊力抜群な沖田さんの笑顔を見せられ、私の心臓はバックンバックン状態だ。

しかし、だ。沖田さんは間違えなく寝呆けていた、うん。
私は沖田さんが寝呆けている姿を一度みた事がないが、沖田さんは今間違えなく寝呆けていたと言える自信がある。
なぜなら沖田さんが笑うと、八割の確率で悪い意味でドキドキするのに今回は悪い意味のドキドキではなかったからだ。

多分、相当疲れがたまっているのだろう。沖田さんは。
ここ最近真選組は事務作業も多かった上に、斬り込みに行く回数も多かったはずだ。
ならば私にできる事は一つしかないだろう。

「お疲れ様です」そう呟きながら彼の疲れがとれるように祈り頭を撫でてみる。
こんなことで沖田さんの疲れがとれるとは思えないけれども、気持ちの問題だ。
自己満足と言われてしまえばそれまでなのだけれども。
そして、沖田さんと過ごせる時間が少ない私にはこの小さな行為が幸せに感じる。


「幸せ者だな、私」




チクタク、チクタク。

チクタク、チクタク。

チクタク、チクタク。



30分が経っただろうか、沖田さんはゆっくりと大きな赤い瞳を開いた。そして、それと同時に綺麗な形をした唇を開く。


「俺も幸せ者だねィ」

赤い瞳はがっちりと私の瞳を掴み、はっせられたその言葉は赤い私の心臓を鷲掴みにした。




20091008

匿名さまに捧げる


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