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シャーナの魔術師が贈る
「リーファは働き者だ。神様も、リーファのことを見ているだろう。来世は、きっと素晴らしい人間になれるよ」
近所のおじさんは、シャーナの仕事をこなす私を見ながら、よくそう言っていた。私は、そのおじさんにとって、"素晴らしくない人間"だった。
シャーナは、家畜を奢殺して、血抜きをして、肉を食べられる状態にして、皮を加工する。毎日毎日それをやっているから、手は生臭い。それに加えて処刑なども担当している。
気持ち悪がられるのも無理もない、と思っていた。
だから、黙っていた。
シャーナの魔術師が贈る物語