目が覚めたら日が沈んでいた。薄暗い部屋の中、寝ぼけた頭で干しっぱなしの洗濯物のことを思った。早く取り込まないと。わかってはいるけれど起き上がるのも怠い。どうしたものかと考えていると「起きたのか」と眠る前にはいなかった焦凍くんの声がした。
「起こしてくれてもよかったのに」
「あんまり夜眠れてねぇんだろ。だから起こさなかった」
私の年下の彼氏、優しすぎる。この数日は特に不眠の症状が酷く満足に眠れない夜が続いていた。それを話した覚えはないけれど、私の変化に目敏い彼はきっと気づいていたのだろう。
「でも洗濯物入れなきゃ、」
「洗濯物ならもう取り込んだ。畳んでそこにまとめてある」
「ほんとだ……ありがとう」
「眠いならまだ寝てていいぞ」
「ね、焦凍くんも一緒に寝よう」
そう言えば、おすおずと隣に寝転んでくれた。その姿のなんと愛らしいこと。彼にぴったり寄り添うと、するりと絡められた指。なんだか良い夢が見られそうだ。
※洗濯物を取り込んでおいてくれる轟くんが見たかっただけ。あとで干してた下着も全部見られたことに思い至って恥ずかしくなるけどそれを伝えたら「いつも見てるだろ?」と何が恥ずかしいのかわからないと天然発揮されて、まあいいかってなる。