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「#甘甘」のBL小説を読む
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 洗い物ってどうして時間を置くほど面倒になるんだろう。流し台に積んでいる皿たちに視線を向け、そっと見ないふりをした。ああめんどくさい。やりたくない。一度始めてしまえばそれで済むのに、そこに至るまでが果てしなく遠く感じる。

「洗い物やりたくない……」
「それなら俺がやるから気にしなくていいぞ」

 さっき我が家に来たばかりの焦凍が台所に向かおうとするので慌てて引き止めた。焦凍は私に甘すぎる。だってそこにある洗い物は全て今日の私が使ったものだ。彼が使用したものは一枚だってない。

「そうやってすぐ甘やかさないで」
「駄目なのか?」
「う、」

 しゅん、と子犬が怒られたときのような、なんともいえないこの表情に私はとにかく弱かった。そんな顔をされたらまるでこっちが悪いみたいに思えてくる。いやいや、でも焦凍に甘えてばかりはよくない。私だってしっかりしないと。そう、しっかり……。

「……」
「……」
「……お願いします。いつもありがとう」
「ああ、名前はゆっくり休んでてくれ」

 なんでそんなに嬉しそうな顔をするの。あなたが今からするの皿洗いだよ。そんなことを思いながら結局甘えてしまうのだった。