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 名前のすぐ傍までヒーローが迫ってきているのが見えた。手を翳して広範囲に炎を撒き散らせば、ヒーロー共の悲鳴に混ざって巻き込んだ名前の声がした。これだけの高温で焼けば、頑丈さだけが取り柄のあいつもさすがに死んだかもな。……まあ、どうでもいいか。


 一夜明け、あいつは何食わぬ顔でアジトに現れた。

「荼毘!!」
「……」
「個性使うなら声かけてよ! 私死ぬところだったんだけど!」

 アジトで流しっぱなしになっているテレビからは昨夜の件についての報道が流れている。死傷者が何人だの、一般人も巻き込まれただのと騒がしい。

「生きててよかったなァ」
「大火傷したよ! 寝たら治ったけど」

 ほら、とその場をくるりと回った名前の身体には火傷の痕も傷らしい傷ひとつ見当たらなかった。つーか寝たら治るって何だよ。馬鹿は身体まで馬鹿なのか。

「ゾンビだな」
「反省の色が見えない」


※名前の頑丈さには無意識に信頼を置いているのでわりと頻繁に巻き込んでも気にしない荼毘。