鬼滅 | ナノ
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※現パロ

「いつまで寝てるつもり? いい加減起きなよ」

 体を揺さぶられ、ぼんやりと意識が浮上する。重い瞼を開けると眉根を寄せた累と目が合った。

「……累」
「何」
「……今、何時?」
「正午を回ったところ」 

 もう午後なのかと鈍い頭で考えながら、再び目を閉じる。明け方まで録り溜めたドラマを見ていたせいで寝不足なのだ。とにかく眠くてたまらない。

「……」
「……」
「……」
「……」
「姉さん」

 普段より低い声音が累の不機嫌さを明確に伝えてくる。このまま無視して眠ればそれは間違いなく悪化するだろう。そうならないためにも私が選ぶべき手段はひとつだった。

「累も一緒に寝よう。あと少しだけだから」

 腕を伸ばし、累の手を掴んでベッドに引きずりこんだ。姉さん、と咎めるような声が聞こえたが素知らぬ顔で抱きしめる。悪いけど私はまだ寝ていたい。
 あまり表には出さないけれど累は結構甘えたがりだ。だからこうして腕のなかに閉じ込めてしまえば、驚くほど大人しくなる。普段は大人ぶっているが、こういうところはまだ年相応の子供らしさが感じられて微笑ましい。本人に言ったら拗ねてしまうから口には出せないけど。

「……しょうがないな。少しだけだよ」

 先程よりもずっと穏やかな累の声を聞きながら、私は今度こそ意識を手放した。
 

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