※少しだけ二部のネタバレあり
「無事か、マスター」
彼女は闘いが終わると、必ずそう言って私を気遣ってくれた。最前線で闘っているのは彼女の方で、どちらかといえばそれは私がかけるべき言葉のような気がするのに、その優しさにいつも救われていた。どんなに辛くても差し伸べられた手を握って「大丈夫」と笑えば、オルタは少しだけ納得のいっていないような顔をしながらも「よかった」と微笑んでくれた。
オルタは、今はシャドウサーヴァントとしてのみ活動できる。以前のように言葉を交わすことも、その表情を知ることもできない。それでも闘いが終わり、姿が消える直前にこちらの様子を窺うような仕草をする。それはまるで「無事か、マスター」と問いかけてくれているように思えて、泣きそうになる。どんな状態であれ、オルタはオルタのままなのだ。早く万全の状態で召喚できるようになりたい。あなたに話したいことがたくさんあるんだよ。溢れそうになる涙を堪え、消えていくシャドウサーヴァントに「大丈夫だよ」と微笑んだ。
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