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 珍しく任務のない夜。いつものように私の部屋でシュラの酒盛りに付き合っていると、酔いの回った彼女に抱きつかれた。アルコールとシュラ自身の香りが鼻腔をくすぐる。抵抗することもなく好きなようにさせていると、不意にシュラが難しい顔で唸った。

「……なんかメフィストの匂いがすんだけど」
「えっ、そうかな」
「お前、またあいつのとこ行ってたな。不用意に近づくなっていつも言ってるだろ」
「漫画借りに行っただけだから大丈夫だよ」
「だーかーらー!それが油断してるんだっつーの」
「わあっ!」
「そんな無防備にしてたら食われちまうぞ」

 景色が変わる。抗う間もなく押し倒された私の視界には、不敵な笑みを浮かべたシュラと天井が広がる。両手首を押さえつけられたまま、額、頬、唇へと降ってくるキスを受け入れた。

「シュラ、待って」
「んー?」
「明日は朝から、っ、任務」

 甘く耳を噛まれ、舌を這わされる。いやにはっきりと聞こえる水音が卑猥で、恥ずかしさに耐えられず目を閉じた。

「目閉じんなよ、名前」
「だって恥ずかし……あっ」
「……寿命が延びたせいだろうな。最近は色々と欲が出てきてさ」

 止める間もなくシュラの手が太ももを撫でてくる。慌てて足を閉じようとするものの、シュラが足の間に割って入ってきたせいで動けない。

「……っ、んん、」

 制止の言葉も音になる前に全て彼女に呑み込まれていく。隙間から入ってきた舌は、まるで別の意思を持った生き物みたいに口内を這い回る。逃げる舌を追われ、吸われて、どちらのものかわからなくなった唾液を嚥下した。

「抱かせて、名前」

 普段とは違うトーンで囁かれ、下腹部が疼く。何も期待していないと言えば嘘になる。どうしようもなく恥ずかしいのに、それよりも今すぐシュラに触れてほしくてたまらなかった。

「……ん、名前キス上手くなった?」
「っ、シュラのせいでしょ」
「うんうん、みっちり身体に教え込んだあたしのせいだにゃあ」
「そこまでは言ってない……!」

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