「兵助はさあ」
「うん?」
「妬いたりしないの?名前のことで」
「うーん……別に」
「そうなんだ。ちょっと意外だな」
「そうか?」
「うん」
「心配してないから、かなぁ」
「と、いうと?」
「どこへ行っても名前が最後に帰ってくるのは俺の隣だから、心配する必要がないかなって」
「へえ、たいした自信だな」
「悪いけど名前だけは勘ちゃんにも譲れないよ」
「ふうん?まあ、選ぶのは名前だ。兵助が決めることじゃない」
「ああ、そうだね」
名前がいない所で密かに牽制しあってたりする二人。会話の内容は不穏だけど二人とも表情は笑顔。遠目から見ると楽しそうに談笑してるように見えるけど、実際に近くで聞いたら全然そうじゃない。
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