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「#幼馴染」のBL小説を読む
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「名前さーん!」

 家の前で掃き掃除をしていると、少し離れた場所からオビトくんの声がした。声の方を見ると任務を終えたらしいオビトくんとカカシくん、それにリンちゃんがこちらへ歩いてくるのが見えた。そこでふと疑問を抱く。いつもなら彼ら三人の後ろにミナトがいるはずなのに。


「ミナト先生は火影様の所です。何か話があったみたいで」
「おいカカシ、オレが今名前さんに伝えようと思ってたのに先に言うなよ」
「別にいいでしょ。お前が話すのを待たなきゃいけない理由もないし」
「何だとォ!?」
「二人とも落ち着いて。教えてくれてありがとね」

 喧嘩するほど何とやら。今日も二人は元気いっぱいだ。

「ごめんなさい、名前さん。オビトもカカシも悪気はないんだけど……」
 
 あはは、と苦笑いを浮かべるリンちゃんに日頃の苦労が窺えるような気がした。

「そうだ、親戚から焼き菓子を貰ったんだけど、ミナトが帰ってくるまでまだ時間がありそうだし良かったら食べて行かない?」
「え、いいの!? オレ食べたい!」
「ハア、お前はもう少し遠慮ってものを覚えなさいよ」
「じゃあカカシだけ帰ればいいだろ」
「もう! 喧嘩しないでってば!」

 さすがに二度目の喧嘩になるとリンちゃんが二人の間に割って入って止めていた。

「リンちゃんはいい子だね。えらいえらい」
「そんなことないです。でも、嬉しいな」

 頭を撫でてあげたら、えへへと照れ笑いをしながら頬を赤くしていた。可愛い。
 

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