昨日からサスケが家に帰ってこない。年頃の男の子だからそういうこともあるのかもしれないけど、何か事件にでも巻き込まれているんじゃないかと不安になってしまう。今日は帰ってくるだろうか。そんなことを考えながら街を歩いていると、前方に見覚えのある後ろ姿を見つけた。サスケだ。思わず大きめの看板の陰に身を隠す。なぜならサスケの隣には背の高い長髪の誰かが並んで歩いていたからだ。残念ながらここから相手の顔までは見えないが、白い肌が特徴的な人だということはわかった。そこで脳裏に浮かぶ一つの答え、色白のお姉さんである。
「一体誰なんだ……」
「あれは大蛇丸さんだ」
背後から突然聞こえた声に飛び上がりそうになった。振り向くとそこには兄さんが立っていて、その手には行きつけの甘味処のロゴが入った紙袋が握られている。なるほど買い物帰りですか。
「大蛇丸さんってどんな人なの」
「一言で説明するのは難しいが、色々と有名な人だ」
「何それ怖い。サスケは大丈夫なの?」
「今のところは心配ないだろう」
「サスケ可愛いし、年上のお姉さんも放っておかないってことかあ」
「ん?」「だから大蛇丸さんもああやってサスケに構って……」
「名前、大蛇丸さんは男だ」
「えっ」
その日の夜、サスケは何事もなく帰ってきました。
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