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「#年下攻め」のBL小説を読む
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「どこへ行く」

二十二時を回った頃、どうしてもSNSで見かけたアイスが食べたくなったので急いで靴を履いていると、扉間兄さんに声をかけられた。いつの間に私の背後に。

「コンビニ」
「こんな遅い時間に女が一人で出歩くな」
「でもアイス食べたい」
「もう遅い。明日にしろ」
「やだ。いってきます」
「待て、わかった。オレも行く」

 説得しても無駄だと思ったのか兄さんもついてくることになった。


「いいか、お前はもっと防犯意識をだな……」

 目当てのアイスを無事に購入し、静まり返った夜道を並んで歩く。

「はい、どうぞ」
「?」
「ついてきてくれたお礼。ありがとうお兄ちゃん」

 自分の分と一緒に買っておいた少々値段の良いアイスが入った袋を手渡した。あまり表情には出ていないけれど、一応喜んでくれているらしい。その証拠にさっきまで続いていたお小言がぴたりと止まっている。

「夜に出かけるときはオレか兄者に声をかけろ。いいな」
「はーい」

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