※
これの続き
「扉間は誕生日に何が欲しい?」
「特にはないが、とりあえずお前の後ろにいるイズナを家に帰せ」
「!? 今日は上手く抜け出せたと思ったのに」
「姉さんごめん。どうしても心配で……」
「イズナ……」
「姉さん……」
「名前、先日の話をもう忘れたか」
「わっ、忘れてません!」
「扉間、姉さんにそんな言い方やめろよ。怖がってるじゃないか」
「お前には関係ない」
「なんだと!?」
「はいストップ。公道で喧嘩はやめよう」
「でも扉間が」
「ごめんね、イズナ。今日は扉間と二人で過ごしたいの」
「……」
「帰ったらいくらでも話に付き合うから、あの電柱の影にいる兄さんを連れて先に家に戻っててくれる?」
「……姉さんが、そう言うなら」
「ん、ありがとう」
「俺は先に帰るけど、もし何かされそうになったらいつでも呼んで。それから早く帰ってきて」
「ふふ、わかったよ。それじゃあまたあとでね」
「お前の兄弟はとことん過保護だな」
「そうだね。ちょっと心配性過ぎるかな」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……手でも繋ぐか」
「! ……うん」
「扉間貴様ァーッ!!名前の手を握ろうなんざ百万年早い!!!」
「抑えて兄さん!気持ちは痛いほどわかるけど、勝手に飛び出すのだけはやめてって最初に約束したはずだよ!」
「……」
「……」
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