今日も私の彼氏は部活動。
さすがバスケ部、練習量半端じゃない。
休む暇などナッシングである。そう、今日も…。

「(どうせ俺は部活で忙しいとかで構ってくれないんだよ、ぶー)」

それで私が逃げてっても知らないからな!
さすがになかなか会う機会が少ないと落ち込む、というか寂しいし不安。

「おーい!なまえ〜!」
「なになにー」
「今日は何の日!?」

もう、このネガティブシンキングな回想はやめよう。
そうだ、今日はこんなにも楽しい日じゃないか!

「ポッキーの日!」

正解!と言ってポッキーを渡してくれる友達。
うあーやっぱポッキー上手い、あ、そういえば…

「ポッキーかっこ苺味持ってるよ〜!」
「でかした、なまえ!」

さすが私!と自画自賛していたら、あ、私のネガティブの原因。
私の彼氏、宮地清志が廊下から私を呼んでいる。

「なまえ〜彼氏様だよ、いっておいで〜」

なんか気まずい自分、殴ってやりたい。

「今日、部活ねーから一緒に帰れるから待ってろよ」
「え」
「なんか文句でもあるのかよ、轢くぞ」

本望です、じゃなくて一緒に帰れるとか何日ぶり!?

「うん、わかった待っとく!」


▲▽


「なまえ」

呼ばれた、と思って後ろを振り向けば清志がいた。
帰るぞーなんて言って、さりげなく私の手を掴んで歩き出す清志。

「なんか、久しぶりすぎて緊張する」
「顔赤いね」
「あ?」

くすくす、笑ってそう言うと、調子乗んなよ轢くぞ、と言われてしまった。

「なあ、俺ん家来る?」
「いいの?!」
「いいけど…ずっと一緒に入る時間少なかったし…」
「あ、やめた」
「あ?」

マジトーンで響く声。
いや、そうじゃなくて!!

「私の家に来たほうがいいかなーって!!」

必死に弁解する自分、危ない危ない。

「なんでだよ」
「いつも行かせてもらってるし、家近いし、私一人暮らしだし!」
「は?」

え、何か不満でも?あ、大丈夫だからね決してやましいことなんて考えてませんよ?
どうしたの、という目で清志の様子を伺っていると、行くか、と言ってくれた。



「おじゃましまーす」
「ただいまーおかえりー」
「一人でそれ言ってるの聞くと虚しいな」
「そ、そんな哀れんだ目で見ないでよ!」

そこらへん座って、と言って私はキッチンに向かい、お茶とポッキーを出した。

「緑茶とポッキーって珍しい組み合わせだな」
「私、緑茶好きだからさあ!」

たわいのない話をして、テレビを見て…という行動を繰り返す。
全くもって恋人らしい時間は過ごせていない。
いや、別にいいんだけど……こんなにも相手されないのは傷つけられます。

「ポッキーか…」

急に意味深にポッキーという言葉を口にする清志。

「どうしたの?」
「ポッキーといえばポッキーゲームだろ」
「え…」

急にどうしたの清志?
そう尋ねると、清志はポッキーをくわえて、ん、といってこちらに向けてくる。
さすがの私でもポッキーゲームというものは知っているし、照れる。
ためらっていると、ほら、と差し出してくるからくわえてやった。
すると、だんだんこっちに近づいてくる清志の顔。
あと数センチというところでパキっとポッキーがおられた。

ええ、何それ、期待裏切って…というか自惚れてた自分がむかつく。
なーんだ、そうですか。

「何、すねてんだよ」
「すねてない」
「キスされると思った?」
「は?」

余裕かましてそんな風に言ってくる清志。
アイドルグッズ全部燃やしてやりたい!

「なまえ」
「何!?」

怒り気味で言うと、さっと私の口を塞ぐ清志。

「で、何で怒ってるわけ?」
「お、怒ってないってば!!」


(なんだよ、余裕かましてさ)

20131111
ポッキーの日ということでポッキーをテーマにさせてもらいました。
切甘…とは遠い気がしますが、リクエストありがとうございました!







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