私は宮地くんが好きだ。
けどこの気持ちを伝えることはしていない。
いわゆる告白というやつだ。
この私、みょうじなまえ。
宮地くんに告白することを決めたのだ。
私は昨日、帰る前に宮地くんの下駄箱にラブレターというものを入れた。
下駄箱のなかには上靴が入っていたから、きっとラブレターを見るのは今日の朝になるだろう。
しかし、その朝最悪な場面に出くわした。
「お、みょうじ、はよ。」
「お、おはよう。」
宮地くんが下駄箱を開けるとパラパラといくつものラブレターが落ちてくる。
まじか、私のほかにもいたのか。まじか。
「いや、相変わらずモテるね、宮地くん。」
「お前もな。」
「え?」
パラパラ、私の下駄箱からもいくつかでてくる。
以意外に、一応私もモテるのだ。
「ったく、下駄箱にラブレターっていつの時代だよ。」
「だよねー。」
下駄箱から落ちたラブレターを拾う私と宮地くん。
まったくこれ、いちいち返事するのめんどーなんだぜ?って言う宮地くん。
そっか、面倒か。
しかし私も彼も同時に声をあげ、目を見合せてしまう。
「「あ、」」
私の持つラブレターには、宮地清志の文字が、
宮地くんの持つラブレターには私、みょうじなまえの文字が。
なんだ、考えは同じだったんだ。
というか、さっき、
下駄箱にラブレターっていつの時代だよ、
とか言ってたのって、どこの誰だっけ?
20130803
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