*鈍感彼女
*短い短いお話
*成人、同棲
「あちぃ。」
「ほんと暑いね、」
「死ぬー」
「死にません。」
今日の最高気温、三十度以上。
猛烈な暑さである。
お昼回ったし、そろそろクーラーつけようかな。
「クーラーつける?」
「今すぐつけろー、じゃないと轢く。」
いつもの張り上げた声ではなく、だらだらとした暑さにやられたような声で言われても怖くないな。
本当にそれでもバスケをやっていた男か!って言ってやりたい。
「ああ、もうだめだ、ギブ〜」
「清ってば、スポーツマンでしょ、しっかりしなよ!」
「俺、今サラリーマン。」
「もう。」
本当に今日はすごく暑い。
まあ、クーラーはつけたし、だんだん涼しくなるだろう。
--クーラーつけて数分
「よみがえるー。」
「早いね、というか本当、熱中症には気をつけてよ?」
「…」
「どうしたの?」
ちょいちょい、と言いながら手招きする清。
なんだろ、と疑問を浮かべながらも清のそばに寄る。
「さっきなんて?聞こえなかった。」
「え、」
「聞こえてねーかったから、ゆっくりハキハキと言え。」
「うん?…くれぐれも熱中症には…」
「もっとゆっくり、」
「え?」
「早く、轢くぞコラ。」
えー、元気になったらそれかよ。
ったくしょーがないなあ。
「くーれーぐーれーもー、ねっ、ちゅーしょーにはきーを…!?」
まだ話している途中にも関わらず口を塞いできた清。
あんたが言えっつたんでしょーがー!
「…ふはっ、な、なにするの!!」
「お前から言ったんだろー。」
「は、はあ?」
「熱中症をゆーっくり言ってみ?」
「…ね、ちゅーしよ………あ!!」
「気づくの遅ぇーよ、」
20130731
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