140字  | ナノ









凝縮された 愛 愛 愛


 
【授業中の教室/除湿機/もしも】

(あ、これ安い)教科書代わりに広げたカタログを捲りながら考える。天パな俺には除湿機、愛煙家な土方には空気清浄機が必要で、一緒に寝れる大きなベッドも欲しい。もしもふたりで暮らせたら、なんて、笑われるだろうか。とりあえずは次の休み時間に、君の教科書とコレをすり替えておくとしよう。


【万事屋の押入れ/ボール/どうしても】

押し入れで寝ていたところを家主に起こされ、家を追い出された神楽は怒っていた。(リア充爆発するヨロシ)思わず持っていた愛犬用のボールを握り潰してしまい、隣にいた定春は驚く。しかしあの男が、自分にどうしてもと懇願したことを少女は嬉しくも思う。頼り頼られ、それが万事屋の形なのだと。

*土方が来る度に追い出される神楽ちゃん。部屋臭くすんなホテル行けとキレつつも、朝からそわそわして浮かれてる姿見てたから渋々家出てくみたいな。お父さん想いな娘で良かったね銀ちゃん!
同じ題でもひとつ↓


ボールギャグを嵌め込まれた口から漏れる情けない声。零れる体液があの娘の寝床を汚すことにすら、どうしても感じてしまう自分が恨めしい。けれど小さな押し入れに充満した相手の吐息と匂いがたまらなく愛しくて。このまま死んでしまえたらと手放した意識を呼び戻すように、男は突き上げを激しくした。


【万事屋のソファ/電池/宥める】

人の家に上がり込むなりソファにどかりと腰を下ろした土方は、煙草に火を点けて珍しく仕事の愚痴を零し始める。宥めつつ話を聞いていると、突然電池が切れた様に眠り込んでしまった。布団まで運んだ身体は前よりも軽い。こんなになるまで頑張らなくても、朝まで一緒に寝る言い訳くらい俺が考えるのに。


【自転車/過敏に/感嘆】同じ題でふたつ。

手術の前日、君を自転車に乗せて連れ出した。無理をさせてはいけないと、小さな咳きにも過敏に反応する俺を余所に、星も大して見えない夜空を見上げながら君は綺麗と感嘆の息を吐いた。冷たく澄んだ空気に、君のいのちが反射する。生憎流星ではないけれど、あの小さな星は願いを叶えてくれるだろうか。


自転車を飛ばして遠くまで星を見に行った。珍しくはしゃぐ姿が可愛くて、この時間が終わってしまうのが怖くて、土方が口を開きかける度過敏に反応してしまう。けれど零れてくるのは、感嘆の声と白い息ばかり。「すげえ」「うん」「すっげえ、綺麗だ…」「…そうだな」 その瞳に映る夜空が、何よりも。


【地下鉄/アイドル/ビクリと】 ほものん 坂田の歪んだ愛情

「この子可愛いよな」地下鉄の広告に載った人気アイドルを見て呟く。男子高校生の日常的会話とでもいえる何の変哲もない一言に、十四郎の身体はビクリと大袈裟な程跳ねた。平静を装いつつも劣等感に揺れる不安げな瞳が酷く愛おしい。おかしいのはお互い様なのに、お前はいつまでひとりで怯えているの。


【すべり台/電マ/千切る】W保育士な金土!多分セフレ

「よし、おいでー」すべり台の下で園児を待つ坂田。昨晩俺を見下ろした、嘲笑交じりのそれとは似ても似つかない緩みきった面に腹が立つ。あの自慢の金髪でも引き千切ってやろうか。小さなガキ達に触れる両手はあるくせに、電マだローターだ、つまらない玩具でしか俺の身体を暴こうとしない狡い男の。

子供達と戯れながらも、本当は君の視線に気付いているよ。その瞳は人を殺せるんじゃないかという程鋭く、昨夜切なげに鳴いていた面影など皆無。どうしてそんなに怒っているの?「おいで」って、さっきから何度も言ってるじゃないか。ここまで堕ちてくれば、こうやって両手を広げて抱きとめてやるのに。


【村塾/炭酸水/温かい】

綺麗な波紋が広がる。炭酸水が傷に染みたのか土方は身体を強張らせたものの、すぐに寛ぎだした。温かい蒸気で紅潮した頬がたまらなく情欲をそそる。折角土方を休ませる為に来た温泉で、何考えてんだ俺は。村塾で真面目に話を聞いていたら、こんな大人にはならなかったのだろうか。我ながら愚問だ。


【煎餅布団の上/ガラス/殴る】

煎餅布団の上で眠っていると、携帯が鳴った。慌てて飛び起き、呑気に眠る坂田を殴り引き剥がす。階段を駆け下りる途中後ろで呼ぶ声がしたが、無視した。そういえば前にあいつは時間を気にする俺を、シンデレラみたいとからかったっけ。ガラスの靴なんて似合わない汚い足で、今日も屯所まで全力疾走。

*通い婚ぽい銀土。坂田早く真選組に婿入りしろそしてW副長しろ
おまけ↓

来客だと報告に来た山崎の笑みで、相手はすぐわかった。此処には来るなと怒れば、依頼だと宥められる。「さがしてんの。この落とし主」その手には小さな指輪。「はめてみてくれる?」ああ嘘だ、こんな。「…やっぱりお前、シンデレラだ」得意げに笑う男は、王子には程遠い万年金欠のマダオの筈なのに。

*結婚おめでとう。「シンデレラって灰かぶりって意味なんですぜィ。まさにきたねえ土方のことじゃねーですかコノヤロー。やっぱりお前、シンデレラだ…(キリリ)」「やめっ、やめてエエ総一郎くん!恥ずかしい!」みたいなやりとりがあれば可愛い(^///^)


【遊園地/ボール/必然】

ひとり思い出の遊園地で佇む。あの日、周りの視線が痛く、目立つ行動は避けようと言ったのに、土方はあれに乗りたい一緒に写真が撮りたいと珍しくごねた。会話のキャッチボールが成立せず苛立ったが、今思えばそれも必然。自分に向けられた想いも望みも知らん振りして、俺は何を見ていたのだろう。


【夕焼けが綺麗な屋上/百人一首/ねばつく音が】

「俺ならI love youを、夕焼けが綺麗ですねって訳すな」とても屋上で生徒を襲う者の台詞とは思えない。国語の教員らしく、俺の痴態さえ百人一首にある趣深い情景かの如く詠み上げるこの酔狂な男は、終いには粘つく音が鳥の囀りに聞こえるとでも宣うつもりだろうか。全く、清少納言も吃驚だ。


【夜の教室/オタク/撫で回す】

仕事を終えた時既に外は暗く、教室まで走ると教卓に突っ伏し眠る土方が目に入った。無防備な身体を撫で回せばんう、とむずかる声。ああ、今ならフィギュアオタクの気持ちがわかるかも。この子をずっと俺の目の、手の届く場所に置いておきたいなんて。諸々の境界線など見えなくなるくらい、愛しいのだ。


【川の辺/オムツ/噛み付き】

何れ来る、二人が剣を握れなくなる日。己の世話も出来なくなる日。人一倍矜持高いこの男は、その前に死ぬと言うだろう。でも将来糞垂れてオムツが必要になろうと、入れ歯だらけで噛み付く様なキスが出来なくなろうと、こいつと笑っていたいのだ。二人言葉も交わさずに、眼前の水が流れる先を見ていた。


【ベランダ/乳首ピアス/噛み付き】

「ん、じゃあな」電話を切ってすぐ寂しさに襲われた。触れたい抱きたい。首筋に噛み付き消えない痕を残したい。乳首にでもピアスを付けて俺の物だと知らしめたい。けれど許されぬ、決して汚す事の出来ないあの子はまるで。「…月みてえだ」自嘲気味に呟いて、届かないひかりに、それでも手を伸ばした。


【大江戸スーパー/時計/うとうと】

大江戸スーパーで新発売のマヨネーズを見つけた。「なあ、帰りにちょっと屯所まで…」横の神楽を見るとうとうとしかけていて、時計を確認すれば既に11時過ぎ。「…仕方ねえか」何より優先すべきは家族。だからこそあいつも早くその一員になってくれやしないかと、こんな時は余計に考えてしまうのだ。




あとお題とは関係ないですがおまけで。ついったで書いたポ二×ポ二〜↓


ぴょこんと跳ねた柔らかな毛が首筋にあたる。擽ったさに悪態をつけば、俺は気持ちいいよと随分伸びてしまった黒髪をすん、と嗅ぎ男は笑う。もたれた背中は大きく、誰も冒すことの出来ない様な強さを感じた。俺もいつか、この男みたくなれるだろうか。そんなことを思いながら何日か振りの眠りに落ちた。

夜が明け開口一番、昨日手酷くやられた相手に再戦を申し込むと言い放った土方に、俺は只呆れた。手当はしたものの、当然傷は癒えていないのだ。どうしてそんな無理をするのかと叱れば、強くなりたいんだと悔しそうな声。…全く、こいつは。一際大きな溜息と共に、いつもより低い位置にある頭を撫でる。
「大丈夫、お前は強くなるよ」なんてったって、この背中に傷を付けられる唯一の男だ。そんな含みに気付く筈もなく、土方は嬉しそうに笑い刀を握り走り出す。あーあ、無理すんなって言った傍から。まあそんな所も好きなんだけど。「…待ってるからな」後ろ姿に呟くと、応える様にポニーテールが揺れた。

*背中合わせでお互いの髪の毛に翻弄されるのとか可愛いですよね フォロワーさんが描いてたポ二銀のタイムスリップにふおお…!ってなったので参考に。












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