甘えんぼ先生 | ナノ






※かっこいい先生が好きな方は注意!
ふたりともキャラ崩壊














先生は甘えんぼ。
普段はかっこよくて、キリッてしてるのに、二人っきりになるとすぐ俺にくっつきたがる。声もいつもは低めで怠そうなのに、俺の名前を呼ぶときはちょっと高めのトーンで、甘ったるい。

「ひじかたあー、疲れたー、先生疲れたよー。もう採点やだよー」

赤ペンを投げ捨てて泣き言を言うそういうダメなところも嫌いじゃないけど、まだ始まって15分足らずしか経っていないのにギブアップはさすがにないと思う。

「…。わかった、マヨネーズあげるから頑張って下さい」
「いらないですー、土方くんのえっちなマヨネーズなら飲みたいけど」
「先生、それは採点が終わるまでオアズケって言いましたよね」

くすん、なんていい歳して泣き真似する先生が可愛くて、俺もべたべたに甘やかしてあげたくなるけど、心を鬼にして一蹴する。強い口調に先生も抵抗を諦めたようで、大人しく採点を再開する。真剣な横顔もかっこいいけど、『終わったら土方のマヨ終わったら土方のマヨ』…その掛け声はやめて。







「終わったー!!!!!」

ばんざーい!なんて両手を挙げて立ち上がるオーバーアクションで今日の仕事を終えた先生は、ベッドで雑誌を読んでいた俺に駆け寄ってくると、大型犬よろしく飛び掛かってきた。

「っうわ…!」
完全に油断していた俺は、あっさりとベッドに押し倒されてしまい、やはり大型犬のように息を荒くしている恋人を見上げる体勢になる。

「せんせ…」
「ひじかたっ、頑張った先生に、ご褒美ちょうだい」

にこにこと笑いながら見つめてくる子どものような眼差しに抗う気など起きるはずもなく、くしゃくしゃの髪の毛をあやすよう撫でている内に、どちらが教師でどちらが生徒なのかわからなくなってきた。

「ん、土方、」
ちゅ、ちゅ、と啄むようなキスを何度もされて何だかくすぐったい。
「土方、きもちい?」
「…ん、せんせ、いい子いい子」
「へへ」

よしよしとまた頭を撫でると嬉しそうに笑う先生。かわいい。けど、その無防備さに少しだけ心配になる。俺以外の人にもこんな風に甘えてたらどうしよう。職場では真面目だけど、お酒とかに酔ったら他の先生たちにも甘えてるんじゃないかな。
そんなことを考えている内になんだか面白くなくなってきて、撫でていた手を止めると不思議そうに首を傾げた先生に見上げられた。

「…ひじかた?」
「…先生は、甘えたさんなんですね」
「うん?だって土方、可愛いからね」
「えっ??」

いやいや、可愛いのはそっちだろう。と、的外れな答えに素っ頓狂な声が出る。

「俺のこと甘やかしてくれてる土方、すっげー幸せそうで可愛いんだもん」
「えっ」

満面の笑みで直球な台詞をぶつけられて、顔から火が出そうになる。何これ恥ずかしい。俺そんな顔してた?もしかして俺、甘やかせられてただけ?
パニックになるあまり、良い歳した成人男性がだもんはないだろうなんて突っ込む余裕もなくなる。ひとりでぐるぐる考えていると、気付けば俺の胸に顔をうずめていたはずの先生に、見下ろされていて。

「…え」
「土方の可愛い顔見れるんなら、甘やかされるのもいいかなって思うけどさ」

甘やかすのも好きだよ?
至極楽しげに微笑まれて、おでこにちゅ、なんてキスされた。鼻にも頬にも耳にも、何度もキスの雨を降らされてその気になってしまう。
さっきまで幼い子どもみたいに俺に甘えてたくせに、いきなりその表情を変えるんだから、ほんとにずるい。この人は。

「っ、せん、せ…」

優しく頭や顎を撫でられると気持ちよくてどうしようもなくて、自分の方からすり寄ってもっととねだってしまう。

「…土方、猫みたいだね」
「んんー…」
「甘えるのと甘やかすの、どっちが好き?」
「…んん?どっちもー…」
くす、と笑われて聞かれるけど、気持ちよすぎて眠くなってきているせいか、ろくに考えられない。

甘やかして、甘やかされて。こんなんじゃ二人してだめになっちゃいそう。
でももう、それでもいいかなんて思った。だって先生こそ、すごく幸せそうな顔してる。それがあまりにも可愛くて、たまには甘やかされてあげようなんて思ってしまう俺は、結局この人に甘いのだ。先生の好きなチョコレートパフェよりもきっと。ああなんだか、吐きそうなほどに。






愛で溶かして
(あいうぉんちゅーあいふぉんぢゅー!)






***


ほんとはクールな先生大好きなんですけど…あれ…誰だこれ…(^o^)
土方くんでチョコレートフォンデュがしたいという話




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