甘ったれは甘く
「慎吾さん、お風呂上がりました」
「髪乾かしてやるからちょっと待ってて」
そう言って俺はドライヤーを持ってくる
俺の前に勇人を後ろ向きに座らせてドライヤーの風をあてる
「勇人って意外とめんどくさがりだよね」
「意外・・ですかね」
「うん、そして甘えた」
「慎吾さんにだけですよ」
勇人が少しこちらを向いて俺のことを見上げてきたので目があった
なんだか嬉しくて微笑んだ
視線が外れるとドライヤーの風を強めた
「・・・でくださいね」
「何?」
ドライヤーの音で遮られて聞こえなかった
ドライヤーを停めて聞き返すと勇人は何でもないと言う代わりに首を振った
「言ってくれないともう寝ちゃうよ」
顔を覗き込んで言うと勇人は俺に寄りかかって俯いた
「他の人に笑いかけ無いでくだ、さいね」
「甘えん坊」
目を細めて勇人の横顔をみつめる
勇人は気が付いたのかこちらに振り向いた
その瞬間に唇にキスを落とす
また目があった時には何だか可笑しくなってしまってふたりして吹き出した
「甘い・・ですね」
「何が?」
「全部」
再び笑った時にはまた甘い
甘ったれの君は笑顔も甘くキスも甘い
甘やかす俺は君よりもっと甘いのかな
*end*
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ボツネタ
栄口って意外と甘えん坊って気がします
慎吾さんは面倒見がよさそう
終わり
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