家に持ち帰った仕事をパソコンでしていると柊太が部屋に入ってきていきなり胸ぐらを掴んできた
「お前マジでふざけんな!!」
強い力で胸ぐらを掴む柊太
口調からも解る通り相当怒ってる
「佐久間先輩に何言ったんだよ」
「――佐久・・間・・・?誰、」
「佐久間叶椰、付き合ってんでしょ」
その言葉で人物が特定される
あの人佐久間叶椰って言うんだとか頭の冷静な部分で思った
「どうしてお前の所為でこっちが悪く言われなきゃいけないわけ?」
「っ・・何か言われたの?」
「とぼけんの?お前が何か吹き込んだんだろ?だから言われたんだろ」
何も、言ってない
というより、言ったのは柊太だと思っていた
俺が何も言わないでいると胸ぐらを掴んでいた柊太の片手が振り上がる
「――っ・・・、」
顔面に飛んできたそれを手で受け止めると柊太は俺の手を振り払った
「・・・俺は、本当に何も言ってない」
そう言うと柊太は溜め息を吐き胸ぐらを離すと出口へと向かった
そして去り際、言葉を残していった
「羨ましいよ、その顔があれば何でも許されるんだもんな」
睨むようにして言い放たれた言葉
その言葉に俺は何も言えなかった。
12 完
(140512)
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補足
『その顔があれば何でも許されるんだもんな』
その顔→傷ひとつなく、更に整った顔
許される→責められたりしない、味方される、相手も思いのまま(手に入れたい人を手に入れられる)・・・的な感じです。
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