「――っ・・・は・・痛・・・っ、」
「あれ、もしかしてはじめて?」
視界が涙で歪む
男同士は想像していたよりも苦痛な行為だった
「俺初めてな人相手にしたことないから優しくできませんよ」
「、・・ぅ・・・あ・・っ―!」
気持ち悪い
中に入ってくる感覚に、耐えていた涙が流れ出る
早く、早く終われ
そんなことを頭の中で何度も願った
――・・・
気が付いたら行為は終わっていて、どうやら俺は気絶していたらしい
「気が付きました?」
そう言って頭を撫で、頬に触れてくる男に鳥肌が立つ
自分がした行為に吐き気がする
でも柊太のためだと思えば我慢できる
「柊太に・・・もう手出さないでください・・・俺が、何度でも相手しますから」
「――はは、いいよ・・・俺あんたのこと気に入りました・・付き合ってくれるならその願い聞きます」
「そんなんで聞いてくれるなら」
いくらでも付き合いましょう
その言葉は口を塞がれることによって遮られた
頭を撫でられても、キスをされても、身体に触れられても
俺はこれっぽっちも嬉しくない、気持ちよくもない
吐き気がする、気持ち悪い
でも柊太の為に我慢するんだ
そうやって自分に言い聞かせていたらこの行為もきっとそのうち慣れるから
大丈夫、大丈夫・・・。
08 完
(140426)
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