愛。 06



「あのー・・・岸さん・・ですか?」

「そうですけど」

「あ、よかった・・・写真と少し雰囲気違ったので」


最近楽しいと思えることができた


「それじゃあ・・・●●ホテルでよろしかったですか?」


それは男性と身体の関係“だけ”を持つことだ


昔から女は好きじゃない

だから俺はきっと昔からそういう人種


そういう場所や掲示板へ行き、いいなと思った人に声を掛けると不思議と誰でも釣れた

釣った男に必ず「綺麗な顔立ち」だと言われる


今回も・・・






「本当に綺麗な顔立ちしてますね・・ただ・・・」

「なんですか?」


男は俺の顔へ手を伸ばす

ベッドがギシッと音を立てて揺れた


「この傷痕が無ければ完璧なのに・・・って思いまして」



男の手が頬の傷痕に触れる


頭の中に黒いもやが掛かったかのような感覚

怒りの感情がふつふつと沸き上がる



「――・・・触んな」

男の手を振り払う

「興醒めしたんで帰りますね、貴方みたいにデリカシーの無い大人大嫌いなので」


作り笑いを男へ向けてその場を去ろうとすると、突然腕を捕まれベッドへ引き戻される







「帰しませんよ?」






男も作り笑いを俺に向けた








嗚呼、最悪だ。



06 完


(140423)



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