数年前、俺は弟に対して何度謝っても償えない罪を犯した
結果的に人生を奪ったその日から弟は俺の前で笑わなくなった――・・・
「柊太?どこ行くの・・・学校は?」
「・・・」
高校に入学してから3ヶ月
柊太は時々学校を休むようになった
しかも無断で
この間学校から電話が来て知った
「・・・柊太、」
柊太は俺の言葉を一切聞かず外へと出ていった
呼んだ名前は扉の締まる音に遮られた
「・・・」
受話器を手に取る
掛ける場所は決まっている
「もしもし、1年A組の岸ですけど・・今日は体調が優れないので休ませて頂きます・・・はい、失礼します」
どうしてこんなことになってしまったのだろう
どうしてあんな風になってしまったのだろう
どうして・・・その答えの全てに俺が居る
全ては俺の所為
2年前、君の笑顔を奪った俺の所為。
05 完
(140423)
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