声のした方を見ればそこには同い年・・・いや、年下に見える天パの生徒が立っていた
「直江くん」
先生にそう呼ばれた生徒は馬鹿みたいな笑顔で先生を小突きだした
「どうしたのー“かずき”くーん?何か様かな?」
「こら、またそうやってからかう・・・」
「だって“かずき”くん27歳に見えないんだもーん、童顔」
“かづき”・・・?
「それはお互い様でしょ、直江くん」
「先生酷いっ!気にしてるのにっ」
「先生“かづき”って言うんですか?」
ふたりの茶番に口を挟み問いかける
「え?あぁ、違う違う、直江くんが“いつき”をふざけて“かずき”って読んでるだけだよ」
「・・・そうですか、じゃあ二度とその名前俺の前で出さないでもらえますか?腹が立つので」
大嫌いなあいつを思い出して腹が立つから
大嫌いなあいつ――
自分の実兄。
03 完
(140423)
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