僕が岸くんの部活見学に付き合い初めた時間は16時近く
んで、今の時間は17時半になろうとしていた
そう
1時間以上経ったが決まらないのだ
小さい学校故に部活数もそんなにあるわけじゃ無いのに・・・
まずいぞ、ここまで決まらないと思っていなかった
思わず引き受けてしまったが僕にも仕事があるのに
「・・・岸くんは、その・・好きなこととか、興味あることって無いの?」
「無いです」
「・・じゃあ、仲良い人がやってる部活とか見学してみて、」
「仲良い人いないんで」
その言葉で会話が途切れる
扱いづらい・・・っ
どうしようほんと、
このまま決まらなかったら吉田先生にも悪いな
そう考えながら歩いていると、岸くんが突然足を止めた
「岸くん・・・?」
「――・・・、」
開いている扉から風が吹き抜け頬を撫でる
この風通しの良い部屋は確か
「美術部だね」
岸くんの後ろに立って部室の中を覗く
窓側に置かれた植物が開いている窓から入る風で揺れている
こんなに風が入るなんて羨ましい
なんて事を思っていると、突然後ろから声が聞こえてきた
「美術好きなの?」
ふわふわの髪をした彼。
02 完
(140423)
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