俺だけを好きであることを信じて




「言っとくけど勇人さ、同性からもモテるんだよ?だからもう少し自覚持って・・・」

「そんなこと・・・ないです、絶対に」

「・・・自覚が無いなら解らせてあげるよ」





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「あの・・・どこに?」


「ゲイバー」

「は!?」


本当は連れていきたくない


だけど自覚していないなら仕方がない



そう思いながら勇人の手を引いて店の前まで連れていく


「俺も一緒に入るけど離れた場所に座るから、勇人はカウンターに座って適当に何か飲み物頼んで」


戸惑っている勇人を無視して店の中へと入り約束通り離れた場所に座る


他から見たら勇人はひとりだ



店に入って3分ぐらいで勇人の近くに男がやってきた


「ねぇ、ひとり?」

「え?・・・いや、あの」


勇人はこちらに目で助けを求めるが俺は他人のフリをした


「どうしたの?」

「いえ・・・」


しばらくしてその男の知り合いらしき人がやってきた


「その子誰?見かけない子だね」

「俺も初めて見たよ」

「かわいい顔してるね」


そう言う男の顔は本気の様に見えた

だが勇人は動じずフイッと横を向いた


「あはは、連れないなぁ・・・でもそんなとこも魅力的だけど」


勇人の手を取りながら言う男


やばい・・・本気だ


「あの・・・やめ「やめてくんない?そいつ俺のだから」・・・」



気が付いたら立ち上がってた


気が付いたら行動に出てた



「なーんだ、恋人いんじゃん・・・ま、当たり前か・・残念だよ」


ぺこっと頭を下げて店を出た

店を出るとき「好みだったのになぁ」と

失恋した男が落ち込むときのような悲しそうな声が聞こえた





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「これでわかったでしょ?」

人気の無い公園に来てそう言った


ベンチに座りながら頷く勇人



「ごめんね・・・意地悪して」


隣に腰を下ろす


「勇人のこと誰にも触らせたくなかった・・・のに、こんなことしてごめんね」


首を横に振った勇人

けれども勇人は俯いたままだった


暫くの沈黙の後、勇人が静かに口を開いた



「俺は・・・慎吾さんに好きでいてもらえればそれでいい・・・他にどう思われようが関係ない、慎吾さんしか好きにならない」


小さな声だったけれどもちゃんと聞き取れた

「ありがとう、勇人」


ただ単に嬉しかった


「勇人の言う通りだよなぁ・・・他人なんて関係ないよな・・・なのに俺、勝手に不安になって馬鹿みてぇ」


勇人がそっと俺の方を見る


「・・・勇人があまりにもモテるからいつか誰かに取られるんじゃないかな・・って不安だった」


だから自覚持たせてやりたかった


だけど・・・


「何か安心した・・・勇人ちゃんと否定してくれたし」


それに・・・


「それに、俺だけを好きで居てくれるんでしょ?」


目を見て見つめあって

距離を縮める



距離がなくなった頃にはお互いの想いが通じあうことを信じて



あなたの返事が はいであることを信じて



*end*



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あとがき

一応社会人パロでした

ゲイバーなんだから話しかけられるなんて当たり前と思うかもですが、入って3分で声をかけられたことがモテると言うことです

実際はどれくらいで声をかけられるのかはよくわかりませんが・・・(笑


否定してくれた

というのは

手を握られたときに否定したってことです

慎吾さん以外には触られたくないと思っているということです


文章がよくわからないことになってますが、栄口は慎吾さん以外嫌だと思ってることはわかってくださいorz


終わり



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