このふたりで以後よろしく。 44



「んっ・・・っ、ぅ・・・!」

ギシギシとベッドの揺れる音と自分の声がうっとうしかった


「っ・・、も・・・ぃ、や・・・っ」


そう言った瞬間今まで停まることの無かったが動きがピタッと停まった


「今“嫌”って言ったよね」

「・・・え・・?」


「嫌だって思ってないなんてさ、嘘でしょ」

心臓がドクドクと嫌な音を立てる

「嫌なんて・・・思ってない・・よ、」

手のひらが冷や汗でベタつく

何これ・・・まるで嘘言ってるみたいじゃん

「嫌だと思ってないと思ってても身体は嫌がってるんだよ・・・気付かないうちに言葉が出てるのが証拠だよ」

「何、言ってんの?」

「無理すんなよ」



――ドクドク










「本当は嫌なくせに」

















ーーーーー・・・


「――・・・!」


目を開けると天井が視界に入ってきた

何今の?夢・・・?

何だか妙にリアルに感じた

「・・・、」

リアルに感じたのは俺が本当にそう思っているから?


“嫌だ”って思っているから・・・?



違う、違う違う違う


違うのに

どうしてあんな夢・・・、



「・・・佐々木?」

「!!」

突然聞こえた声に驚く

隣で寝ていた田中が目を覚ましたようだ

「ご・・めん、起こしちゃった?」

「・・・泣いてんの?」

「え?」

頬に触れると微かにだが濡れていた

「な、泣いてな、」

「どうかした・・?」


俺の言葉を遮って言われた言葉

その言葉に涙腺が緩んで、気が付けば田中に抱きついていた。



44 完


(140309)



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