雨降り雷




「慎吾さん」

「んー?」

「暑いんですけど」

「俺もあちーよ?」

「じゃあ離れて下さいよ」

「やだ」










今日は久しぶりに栄口が遊びに来た

だから会うのは久しぶり

だから俺はずっとイチャイチャしてたいわけ

なのに栄口は暑いと言うばかり

ちなみに今の状態はソファーに寄っ掛かって栄口を後ろから抱き締めている状態


「雨降るといーな」

「そしたら俺帰れなくなりますよ?傘ないし」

「泊めてやるよ」


そう言って栄口を抱き締める力を強める


「ん・・・慎吾さん」

「何?」

「暑いです」

「知ってるって」





ーー・・・










あれからどれくらい時間経ったのだろうか



「曇りはじめましたね」

「おー」

「よく見たらポツポツ降ってますね」

「ほんとに雨降るなんてな」

そう笑いながら言うと栄口は何やら外を気にしている


「何?ほんとに帰れなくなっちゃっうか心配?」

「あ、いえ・・・」


栄口何か様子が変だ





ーザァーザー













「けっこう大雨になってきたな」

そう言いながら開いていた戸を閉める

「栄口そっち閉めといて」

「は、はい」


栄口が戸を閉めている間に俺は大きめのタオルケットを持ってきてソファーの上に座った


「栄口、おいで」

「え・・・?」

「けっこう寒くなってきたから・・・ほら」

タオルケットを自分の肩にかけてタオルケットの端と端を持って両手を広げた


栄口は珍しくすんなりと俺の足と足の間に入ってきた


寒かったのか・・?


に、してもこいつほんとほっせー

ぎゅっと抱き締めてやるとめちゃくちゃ小さく見える


・・・同じく野球やってたのにこんなに体格に差あるんだな


多分身長は7センチ

体重は10キロ以上違うだろう



「おい、お前ちゃんと飯食ってる?」

「なんでですか?・・当たり前じゃないですか」「細くね?」

「慎吾さんが体格良いだけですよ」


いやいや

そうだとしたって細すぎんだろう





そんなことを思ってるうちに天気がどんどん悪くなり雷が鳴りだした


「っ―――!?」


あれ・・・?


珍しい


さっきまでこちらに背を向けていた栄口がこちらを向いて抱き着いてきた


「・・・どうした?」


「さ、寒いだけ・・です」

栄口がそう言った後にまた雷が鳴った


「――っ」


もしかして


「栄口雷こえーの?」

「な、何言ってるんですか・・・そんな訳・・っ」


また鳴った

栄口は雷が鳴る度びくっと肩を動かして抱き着いている腕に少しだけ力がこもる





やべー


かわいい


そう思ってると雷が近くに落ちた


「うわっ!?」


停電


「栄口、俺ちょっと電気付けてくんな」

「まっ・・・・慎吾さ、んっ」

立ち上がろうとしたら栄口に止められた


「・・・?」

「1人に・・しないで、っ」


暗くてよく見えない、が栄口は涙目になっている



何これ・・・かわいすぎ




そういえば大分前に栄口にこんな話を聞いた


雷で暗闇の中は嫌いだって


嫌いと言うのは多分怖いのだろう

栄口のことだからきっと遠回しに言ったのだと思う


怖いのは昔小さい頃に何かあったから

それがきっとトラウマなのだろう










「し、んごさん・・」

「ん?」

「何処にも、行か・・・ないで、くださいね」

「ん・・・ずっと側にいるよ」


そう言って抱き締める力を強めたら栄口も力を強めた


「でもこのままじゃ電気つかねぇよ?」

「・・・」

「一緒に付けに行く?」


そういうことで電気をつけに行くことにした

栄口は俺の後ろで腰の辺りをぎゅっと掴んでいる

玄関の電気を上に上げるとぱっと電気がついた


「・・・」

「っ・・・//」

電気がついて栄口の顔を見たら栄口は顔を赤くした


「早く戻りましょ、」「なに?捕まんなくていいの?」

そうからかいながら言うと栄口にキッと睨まれた










「ほら、こっちこいって」

「もういいです」

「何で?さっきまで怖がってたじゃん」

「怖がってませんっ」

「じゃあ甘えてたじゃん」

「っ//」

「な、ゆうと」

そう名前を呼んで栄口のことを抱き締めてキスしてやった


「んっ・・・ふ」


「ん・・・ゆうとかわいい」

「ばーか・・っ//」

「今日留まってけよ?」

「・・・は、い・・」





珍しく甘えてきた君

もう俺は我慢できそうにない






さて、これからどうしてあげようか?



*end*



________

ただ雷ネタが書きたかっただけなのに予想以上に長くなってしまいました.


終わり



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