あぁ、俺って本当にサディストなんだと自分で認めざるを得なかった
だってこの状況を楽しんでいるのだから
「ほら・・大丈夫ですって言わないと・・・バレちゃうよ?」
佐々木の耳元でそう言うと「無理」とでも言うように首を横に振った
声が出ない様に必死で我慢しながら手足を震わせている姿
もっと苦痛を与えてやりたくなる
「あの・・・誰か呼んで来ましょうか?」
「っ・・・――、」
何も言えないでいる佐々木は俺に助けを求める様にこちらを向く
瞳に涙を溜めて、真っ青な顔で
「・・・」
仕方ないな・・・
「あの、」
「すみません、友人が具合悪くなって吐いてまして・・・もうだいぶ良くなったそうなので大丈夫ですよ」
「あ、なら良かったです」
少しして遠ざかっていく足音
佐々木は安心したのか強ばっていた身体の力が抜けた
「っは・・・っ・・さいっ、てい・・・」
「・・・、」
あれ
俺、何か・・・もっと酷いことしたいと思ってたのに
いつも、こいつが相手だとその思考が何処かに飛んでいく
「嫌だって、言った・・のに・・・っ」
「・・・ごめん」
どうしてだろう。
40 完
(140118)
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