このふたりで以後よろしく。 40



あぁ、俺って本当にサディストなんだと自分で認めざるを得なかった

だってこの状況を楽しんでいるのだから


「ほら・・大丈夫ですって言わないと・・・バレちゃうよ?」

佐々木の耳元でそう言うと「無理」とでも言うように首を横に振った

声が出ない様に必死で我慢しながら手足を震わせている姿

もっと苦痛を与えてやりたくなる


「あの・・・誰か呼んで来ましょうか?」

「っ・・・――、」

何も言えないでいる佐々木は俺に助けを求める様にこちらを向く

瞳に涙を溜めて、真っ青な顔で


「・・・」


仕方ないな・・・


「あの、」

「すみません、友人が具合悪くなって吐いてまして・・・もうだいぶ良くなったそうなので大丈夫ですよ」

「あ、なら良かったです」


少しして遠ざかっていく足音


佐々木は安心したのか強ばっていた身体の力が抜けた


「っは・・・っ・・さいっ、てい・・・」

「・・・、」


あれ

俺、何か・・・もっと酷いことしたいと思ってたのに

いつも、こいつが相手だとその思考が何処かに飛んでいく


「嫌だって、言った・・のに・・・っ」

「・・・ごめん」


どうしてだろう。



40 完


(140118)



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