このふたりで以後よろしく。 36



「もう痛いわだるいわ最悪・・・明日学校もバイトも行けん」

「・・・」

俺はさっきから佐々木の文句を聞いている

まぁ、佐々木も本気で言ってるわけでは無さそうだからほとんど聞き流してるけど

「しかもさぁ」

でもさすがにしつこいな

「・・・わかった、悪かったよ・・もうしないから」

なんて事を落ち込んだ振りをして言ってみる

もうしないなんて嘘だけど

「そこまで嫌だったんならもうお前には手出さないから・・・」

「っ・・・嫌とは言ってないだろ」

佐々木は今まで横にしていた身体を起こして俺の方を見た

もう一押しかな

「気持ち良くさせてあげられなかったみたいだし」

「そ、んなことねぇよ・・・!」

そう言った佐々木を見ながら「そんなこと無いってどういうこと?」と聞くと徐々に顔が赤くなっていった

「だ・・から・・・ちゃんと、気持ちかった・・・よ」

途切れ途切れに言う佐々木が可笑しくてつい吹き出してしまう

「なっ、に笑ってんだよ!」

「はは、だって顔真っ赤」

もう少しからかいたかったんだけど、もう止めとくか

次は本気で怒られそうだし


「はー・・・何か俺お前といてどんどん自分が自分じゃないみたいになってく」

「何だよいきなり」

ほんといきなりどうしたんだろ、俺

これも自分じゃないみたくなった所為かな

「でも、俺は俺なんだよな・・・そう感じるのはお前に変えられたからかな」

「・・・意味解らんよ」

「解らんでいいよ」

俺も良く解らないから

解らないけど、何だか佐々木と居たら何もかも上手くいく気がする

「ま、これからもよろしくってことで」

解らない答えを探すのは難しいけど仮説はできる




きっと好きだからだ

好きだからそう思うんだ。



36 完


(130808)



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