02 | ナノ
 

02



「つまらなかったかい?」

あの後俺は赤司と紫原と一緒に喫茶店に来ていた

注文した飲み物を飲んでいると赤司が突然そんなことを言った

「無理矢理連れてきてしまったしね」

「別に・・・ふたりといると落ち着く」

嫌なことも忘れて、無心になれるくらい


「それならよかった」


少しずつ時間が過ぎて行く

無言のまま、気が付けばもう1時間近く経っていた

紫原は寝てしまっているし、そろそろ帰らないか提案しようとした時、赤司が口を開いた


「緑間、最近何か悩んでいないか?」

「・・・何か・・?」

俺は何か悩んでいただろうか

そんな風に見えているのだろうか

「特に無いが」

「・・・そうか」

赤司はそう言うと息をひとつ吐いて立ち上がった

「紫原、帰るよ」

「ん・・・あれれー・・俺寝てたんだ?」

紫原は大きな欠伸をすると眠たそうに立ち上がる

「ミドチン帰ろー」

「・・・あぁ」


何か

何か悩んでいるのか

思い浮かばないけれど悩みはあった気がする


けれどふたりといるとそんなことどうでもよくなってしまう



不思議なのだよ。



02 完


(131228)



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