願うこと | ナノ
 

うこと



7月6日の部活の帰り道

ふと空を見上げるとたくさんの星が視界を覆った


「真ちゃん、明日晴れっかな?天の川見れるかな?」

「どうだろうな」


あーあ、そんな事なんか全く興味無さそうにおしるこ飲んでさ、空なんて見ようともしないんだから



「明日誕生日だね」

「・・・そうだな」


今まで興味無さそうだったのにそう言うと空を見上げて微かに微笑んだ

いくら変わってるからって、誕生日が嬉しいのは他の人と変わらないんだなぁ・・・


「そういうとこ好きだよ」

「なんなのだよいきなり」

「何でも無いよーだ」


明日楽しみだなぁ・・・

















ーーーーー・・・





「真ちゃーん」

「・・・」


やっぱりめちゃくちゃ怒ってる

そりゃそのはず

だって今は夜中の0時

7月7日に日付が変わったばかり

そんな時間に真ちゃんに電話を掛けて外を見る様にたのんだのだ

当然ながらそこに居るのは俺


名前を呼んで手を降れば真ちゃんの顔がどんどん怖くなっていった


「大きな声を出すな、そこで待っていろ」


出てきてくれるんだ、やった

バイバイしたのはたった数時間前なのに、やっと会えたみたいだよ

「とりあえず中に入れ、迷惑だ」

「おじゃましまーす」


暗闇の中、足下に気をつけながら真ちゃんの部屋に入った

間もなくして部屋の電気が付く


「馬鹿か貴様は」

「だってさ、1番に言いたくってさ」

「何をだ」


まったく・・・自分が誕生日だってこと忘れてんなよ



「誕生日おめでとう真ちゃん、大好きだよ」

「――っ、」


みるみるうちに顔が赤くなっていく

本当に可愛いんだから



「あ、笹」

赤くなる真ちゃんを見て自分も恥ずかしくなり、横を向くと窓際に小さな笹が置いてある事に気が付いた

あんなに興味無さそうだったのに・・・誰よりも興味あんじゃん


「可愛いね真ちゃん」

「なっ・・馬鹿にするなっ」

「願い事、書こう?」










ーーーーー・・・







「よし・・書けた!真ちゃん何て書いた?見してー」

「誰が見せるものか・・・見せたら叶わなくなるのだよ」

「じゃあ俺も見せない、叶わなかったら困るし」



お互い見せない様に笹にその願い事を書いた紙をくくりつけた




「叶います様に」











願い事はただひとつ






「(真ちゃんが)」







「(高尾が)」



















   幸せでありますように
















小さな笹に込めた小さい様で大きな願い事





どうか叶いますように――。



end


(120714)


ーーーーー

今更ながら誕生日祝ってみた

遅くなってごめんなさい。


終わり



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