信じてるから大丈夫。 | ナノ






信じてるから大丈夫。

きっと僕は昔からリチャード陛下と兄さんが仲良いのが気に入らなかったんだ

最初はただ、除け者にされたみたいで嫌だったと思っていた

けど成長するに連れてそれは違うという事に気が付いた

兄さんが陛下の事ばかり心配している姿を見ていると汚い感情でいっぱいになった

この汚い感情は嫉妬で

その嫉妬は兄さんが好きだからという事に気が付くのは早かった

それから兄さんの方も僕が好きだということを知るのも時間が掛からなかった

両想いだと知った今



僕は嫉妬をする必要は無いのではないか



兄さんと陛下は友達

親友なだけ


それなのにこの感情が消えないのはきっと僕の心が汚いから


兄さんは僕に好きだと言ってくれる

キスだってしてくれる


それでも不安になるのはどうしたらいい?



恋人なのだから嫉妬する権利くらいあるはず

だけどこんな感情は兄さんを信じていない、陛下を疑っている

そういう意味に繋がるのだ




醜いな、僕は・・・





「ヒューバート、どうした?」


兄さんは僕がそんなことを思っているなんて知らないんだろうな

だってずっと隠してきたから



「兄さん、」


彼に腕を伸ばして首に巻き付く様にすがり付けば直ぐに抱き締め返してくれる


「・・珍しいな」


ずっと隠してきたこの感情


でももうそろそろ限界かもしれない





「好き、ですよ」




信じてるから大丈夫


きっと大丈夫



兄さんを信じられない自分に兄さんを信じていると言い聞かせて何度も何度も大丈夫だと呟いた



そうしていればこの汚い感情を隠していられる



そうしていれば・・・


いつか兄さんを信じられるようになる日がくるだろう




そう信じてそっと目を閉じた。



end


(130217)



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信じてるから大丈夫
(C)確かに恋だった
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お題お借りしました。

ゲーム2週目をしていた時
眠いながらアスベルとヒューバートの会話を聞いていて
ヒューバートが「兄さんを貸してあげますよ」的な事を言った瞬間目が覚めましたね

それで何故かこんな小説が出来上がりました

すみません。

読んでいただきありがとうございました!


終わり



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