次の日になっても佐々木は学校に来なかった
放課後家に行ったがチャイムを押しても誰も出て来なくて余計に心配になった
・・・鍵開いて無いな
一応玄関に手を掛けてみたがやはり開いていなかった
「・・・」
本当はしちゃいけない事だと解っているけど確かめずにはいられなくて窓を確かめに行った
手を掛けると簡単に開いてしまって、泥棒みたいだなと思いつつも中を覗いてみた
「――・・・佐々木?」
予想通りというか予想以上というか・・・
頑丈に縛られた腕
殴られた身体
傷の付いた顔
胸の奥がざわつく
駄目だ、こんなこと考えてる暇じゃないって―・・・!
とりあえず中に入ってロープを解く
「・・・佐々木、大丈夫か?」
「・・・、」
言葉にならない声
苦しそうな呼吸
震える身体をそっと抱き締めた
――ほんと俺、どうしたんだろう・・・
心配したり、優しくしたり
傷付けたくないなんて思ったり
こんなの自分じゃないみたいだ。
20 完
(130405)
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