このふたりで以後よろしく。 01



「わっかんねー」


そう呟いたら教室の扉が開いた

先生かと思い姿勢を正すがまた違った


プリントを出しに行き戻ってきた田中だった


「・・まだ終わってないの?」

「・・・」

田中が帰る支度をしながらこちらに近づいてきた

「まだ一問も解いてねぇじゃん」

「わかんねぇんだよ」


「・・・教えてやるか?」


その言葉に目を輝かせて返事すると田中は机越しにしゃがんで、俺と目線を合わせて言った









「46ページに答えのってる」










―・・・先に言え!!

良く見てみたら最近授業でやった問題じゃん!

うっすらしか覚えてないけどさ


てかこいつ・・

俺はてっきりやり方を教えてくれるのかと思ってたよ

期待した俺が馬鹿だった!



「そんじゃ、帰るわ」

田中は立ち上がってそう言った





・・・まぁ、教えてもらうより楽だからいっか




「さんきゅ」


教室の扉に手を掛けた田中の後ろ姿に向かって言った

すると田中はこちらを振り返った
















「・・・俺、お前のこと好きだわ」


















・・・は?








何言ってんのこいつ。



01 完


(121209)



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