「わっかんねー」
そう呟いたら教室の扉が開いた
先生かと思い姿勢を正すがまた違った
プリントを出しに行き戻ってきた田中だった
「・・まだ終わってないの?」
「・・・」
田中が帰る支度をしながらこちらに近づいてきた
「まだ一問も解いてねぇじゃん」
「わかんねぇんだよ」
「・・・教えてやるか?」
その言葉に目を輝かせて返事すると田中は机越しにしゃがんで、俺と目線を合わせて言った
「46ページに答えのってる」
―・・・先に言え!!
良く見てみたら最近授業でやった問題じゃん!
うっすらしか覚えてないけどさ
てかこいつ・・
俺はてっきりやり方を教えてくれるのかと思ってたよ
期待した俺が馬鹿だった!
「そんじゃ、帰るわ」
田中は立ち上がってそう言った
・・・まぁ、教えてもらうより楽だからいっか
「さんきゅ」
教室の扉に手を掛けた田中の後ろ姿に向かって言った
すると田中はこちらを振り返った
「・・・俺、お前のこと好きだわ」
・・・は?
何言ってんのこいつ。
01 完
(121209)
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