あの空の下でもう1度。 50



公園に着くと東が既に来ていた



僕の姿に気が付くと手を振ってくれた


駆け足で寄ると東も駆け足で近づいてきて距離が略0になったとき飛び付いてきた





























「おかえり」






























「――ただいま」



精一杯の笑顔で



あの日にした約束を









この空の下でもう1度


































ーーーーー・・・







「入っていいよ」


家の中に入ると色んな感情が込み上げてきた



「どう?気に入って貰えるかな・・・?」

「――当たり前じゃん」




部屋の中を見渡していると窓辺にマグカップが2つ置いてある事に気が付いた



「それね、藤と一緒に使いたいなって思って」

マグカップを手に取って優しく撫でた


そうしていると東が僕と目線を合わせて、真っ直ぐに見つめて言った









「これからはここでおかえりを言って、いつでも・・どんなときでも迎えてあげる・・・この家が藤の家だよ」









その言葉に涙が出た


嬉しくて、愛しくて



その気持ちを伝えたくて笑顔で言った

















「ありがとう、由宇」




















――ひとりじゃ寂しいくらい広い部屋にやっと君が来た



待ち望んでいた日が来たんだ






何年も待ち続けた様に

何年でも何十年でも



ここで君を迎える事を誓うよ






一生分のありがとうと大好きを一生を掛けて贈るよ








その思いを込めて泣いている君を優しく、だけど強く抱き締めた






「大好きだよ明兎」








新しい約束を




この場所で何度でも――・・・。









50 完


あの空の下でもう1度。 後編 完


(121202)



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