あの空の下でもう1度。 49



――数ヶ月後









「次の方どうぞ」


未だ信じられないけど僕は念願だった医者になっていた



「お名前教えてください」

子連れのお母さんに病状を聞いた後子供と目線を合わせて名前を聞いた


「・・・歩」

「それじゃあ、あゆみちゃん少し口を開けてもらっても良いかな?」

怖いのかお母さんの腕にしがみついて離れない姿を見て昔の自分を思い出した

僕もこんなんだったなって



そんな僕にお医者さんは必ず笑い掛けて言ってくれるんだ







「大丈夫、怖くないよ」



診察が終わると心を開いてくれるのが嬉しいんだ


先ほどまでの怖がりようは何処へ行ったのだろうと思う位の笑顔で「バイバイ」って言ってくれるんだ



子供の「ありがとう」


お年寄りの「ありがとう」



その他にもたくさんの「ありがとう」が嬉しくて



医者になったことを心から良かったと思う





その日の診察が終わって家に帰ろうと思っていた頃

東からメールが来た





“藤の荷物届いた”




予定変更

東の家に帰るよ





――あの公園で待ってるね。



49 完


(121202)



戻る


 
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -