夜の空
携帯の着信音で目を覚ました
変な時間に起こされた事に若干苛つきながら携帯を開けば目に入ったのは“高尾和成”の文字
それから“10/ 6 Sat”の文字
つまり10月06日、土曜日だ
しかも夜中の1時近くの
「・・・なんだ」
電話に出て不機嫌にそう言えば高尾も不機嫌そうに「出るのおせぇよ」とか言ってきた
「こんな時間に掛けてくるのが非常識なのだよ」
「「はいはいすみません、ちょっと外見て」」
訳の解らない言葉に更に苛つきながら窓を開けて外を見れば予想外の光景が目の前に広がった
「・・・何をしている高尾」
「やっほー、ちょっと出掛けませんか?」
自転車にリヤカー、そして高尾が居た
ーーーーー・・・
吹き抜ける風がやけに冷たかった
「こんな時間に何を考えているのだよ」
「いいじゃん、明日学校休みなんだし」
「部活があるのだよ」
その事について高尾は何も答えずただ自転車をこいでいた
冷たい風が徐々に全身を冷やしていった
「・・・何処に行くつもりだ」
「んー・・秘密」
それから15分
とある河原に到着した
「真ちゃん、空見てみてよ」
そう言われて見上げれば視界一杯に星空が広がった
「・・気が付かなかったのだよ」
「俺さ、夜いきなり目覚めて何となく空見たわけよ、そしたらめちゃくちゃ綺麗で・・・真ちゃんに会いたくなった・・一緒にみてぇなって」
そう空を見ながら言う高尾を気が付けば見ていた
そして「綺麗でしょ?」とか言いながらこちらを向いた高尾と目が合ってしまいふたりして顔を赤くした
「真ちゃん顔真っ赤だよ」
「うるさいお前もだ・・・俺は寒いだけなのだよ」
「素直じゃねぇな」
また暫く沈黙が流れた後、口を開いたのは意外にも自分だった
「・・寒いのだよ」
「それさっきも聞いたよ?」
「だから・・・っ暖めろ・・、」
今日の俺はどうかしている
「へいへい、まったく・・しょうがないな」
抱き締めてくれる高尾の背中に手を回した
「ほんと、かわいいんだから・・」
冷たい風が吹き抜ける夜
ふたりの体温を感じ合った。
end
(121006)
ーーーーー
2012年 高緑の日 でした!
ギリギリ間に合いました
タイトルが気に入りませんが書けて良かったです
ここまで読んでいただきありがとうございました!
終わり
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