無色透明。 逢



「新崎今日もコンビニ寄って帰るの?たまには一緒に帰ろー」

「んー・・・今日は寄らないわ」

「じゃあ一緒に帰りますか」


毎日コンビニに通っていると流石にお金も底を尽きるわけで

今非常にピンチです


「土曜日部活あるね」

「そだねー・・・午前中だけだっけ?」

「そうそう」

神谷に会いに行きたいんだけどなぁ・・・

何も買わないのにお店入るのも失礼だし

だからと言って神谷がバイト終わるまで待ってるっていうのも・・・

そもそもバイト終わる時間も土曜日バイトあるのかすらも解らないし

「・・まぁ、いっか」

「何が?」

「いやー何でもないよ」





ーーーーー・・・


部活が終わった後直ぐに神谷が働いているコンビニまで行った

中を覗いてみると神谷の姿は無く、どうやら今日はバイトが無いみたいだ

諦めて帰ろうとすると後ろから声を掛けられた


「何やってんの?」

「神谷・・・見つけた」

何だか嬉しくなって笑いながら言えば神谷は溜め息を吐きながら微かに笑ってくれた

「今丁度バイト終わったんだよ」

「そっか、すれ違わないで良かった」

「何か用事あった?」

特に用事という用事は無くて「別に」と笑いながら言えば「なんだそれ」と笑われた


「今金欠でさぁ」

「毎日ここ来て何か買ってたからね」

また笑った

神谷は最近笑う事が多くなったと思う


「成音」

「え?」

「って呼ぶかなぁ」


笑いながら「冗談」と言おうとして神谷の顔を見ると真っ赤になっていた


「っ・・、」

「俺は、新崎の事下の名前で呼ばないからなっ!」


――あぁ、何か








「好きだわ」


この好きがどういう好きなのかは解らないけどきっと特別なんだ

「明後日お小遣い貰えるからまた明後日来るね」


ただ頬が熱かった。



逢 完


(120917)



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