あの空の下でもう1度。 17



「駄目」

翌日、藤が東京を案内してくれる事になった

そしたら藤がまた首の隠れる服を着ようとしたのを阻止した


どんどん自分を制御できなくなっていく

こんなの重いだけでなんの意味も無いのに・・


「首隠さないで」

「・・わかった」

首に昨日あげたネックレスを付けてやる

まるで首輪みたいだ――






ーーーーー・・・



「まぁ、僕もこっち来たばっかであんま詳しくないんだけどね」


取りあえず聞いた事がある所を色々案内してくれた

実際に見てみると想像していたより人が多かった


本当に多い

そんな中、いや多いからこそかもしれないけれど藤が後ろから声を掛けられた


「藤原君?」

「あ、結「あ!」」


いやほんと、こんな偶然・・・



「結城先輩ですか?」

「え?・・東?」

「・・知り合いだったの?」


まさか同じ学校だった先輩に東京で会うなんて

前電話越しに聞いた聞き覚えのある声は結城先輩のものだったのか

つまりは藤の言っていたバイト先の先輩・・・


「何で東がこんな所にいるの?」

「藤の所に遊びに来たんです」

「藤って・・藤原君か・・・それで藤原君はゴールデンウィーク中バイトの休みをとったわけね」


何だか・・この人とキスしちゃったのかと思ったけど

藤も先輩も普通に接してるから違うのかな?


「あ・・新しいネックレス買ったの?」

「えっ、と・・・東に貰って」

「そっか、気にしてたから良かった」

気にしてたからって何を?

藤のネックレスを壊した事?

もしそうだとしたら何となく話が合う



「藤のネックレス壊したのって先輩ですか?」



―藤にキスしたのも先輩ですか?


「まぁ、そうなる・・・かな・・?」


あぁ、やっぱり



「っ東?」

「帰るよ」


気が付けば藤の腕を掴んで早足に歩いていた



「ま、って・・っ、」


こんなに藤を気にかけないで歩いたのは始めてかもしれない



それほど頭が混乱してたんだ

君にキスをした奴を目の前にしてしまったから。



17 完


(120712)



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