朝新聞を取りに行くと手紙が入っていた
誰宛か見てみると俺宛で差出人の所に「藤原明兎」と書いてあるのを見て何かに打たれた様に胸が高鳴った
直ぐに自分の部屋に行き手紙を急いで、だけど丁寧に開けた
それを読んでみると突然手紙を出した事に対しての謝罪と、その他いくつかの謝罪があった
―突然手紙を出してごめんね
この間の事上手くまとめられなくて手紙にしたんだ
単刀直入に言うとバイト先の先輩にキスされた
気を付けてってメールで言われたけど深く考えてなかった
ごめんね
その先輩には好きな人がいるみたいで僕と重なったみたいだよ
この間謝られたしこの先何かしてくることは無いと思うけど気をつける
それからもうひとつ、凄く大事な話
東に貰ったネックレスを不注意で壊してしまいました
本当にごめん
だけど僕の宝物には代わりないよ―
という文面
そして最後にもう1度「ごめん」と書かれていた
「―・・・2個目の事より1個目の事の方が大事な事だよバカ」
俺はもやもやとした気持ちで手紙の返事を書いた
――来月のゴールデンウィークに会いに行くから。
15 完
(120707)
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