あの空の下でもう1度。 10



「え?バイト始めたって、大丈夫なの?」

「「何が?」」

「何がって、一昨日から学校始まってるんだよね?疲れない?」

藤は暫し考えた後、たった一言だけ「大丈夫だよ」と言った


「無理しないでね」

そう言った時遠くから「藤原」と呼ぶ声が聞こえて来た

どうやらバイト中だったらしい

「「ごめんそろそろ交代っぽい」」

「うん、また話そうね・・メールで」

離れた所からの電話はやはりお金が掛かってしまうため長電話ができなかった

そのため話しきれなかったことはいつもメールで話している


それにしても・・・

「・・さっきの声」

どこかで聞き覚えのある声だった




その日の夜

風呂から上がると藤からメールがきていた

―バイト楽しかった

だけどバイト先に変わった名前の人がいるんだけど、すごく話掛けてくる

友達に似てるって言われた

身長とか――


文面からして藤が今怒っている事が解る

身長の事を言われるの嫌らしいしから


されよりも、すごく話掛けてくるということが気になった

本当に似ているからただの好奇心なのか

それとも好意を持っているのか


遠距離になるとこういうちょっとした事だけでも不安になって仕方無い

少なくとも藤は同性にモテるから


―気を付けてね、身長低いの可愛いよ――と文章を打って返信するとよほど気にしているのかその日はメールが返ってこなかった



次の日目を覚ますと「バーカ」とだけ書かれたメールが届いているのを見て思わず笑ってしまったのは言うまでもない。



10 完


(120701)



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