あの空の下でもう1度。 08



東京へ行く日

出発する前に東ともう1度あの公園で会うことにした

東がくれたネックレスを付けて



「空港までどうやって行くの?」

「親が送ってくれる」

「そっか」

たわいない話をしている内にどんどん暗い方へ話が進んでいった


「遠距離って上手く行かない事が多いんだって・・・」

「・・うん」

「ごめんね、明るく別れたかったけどやっぱり無理みたい」

苦笑いを浮かべる東の瞳には涙が溜まっていた

「藤にこんなこと言いたくなかったけど不安・・なんだよ」

「僕だって不安だよ・・けどね東、僕は」

その不安を吹き飛ばして貰うかの様に胸元のネックレスを握り一呼吸置いた




「僕はあの日の約束まだ忘れてないよ」


昔お別れの時にこの空の下でした約束を



―また会ったときは真っ先に抱き締めるよ



もう1度





「夢が叶って戻ってくるまで忘れないでよ」

「忘れない、今度こそ絶対に」


―約束を果たすまで別れる事は無いよ

もちろん約束を果たしてからもずっと


別れる日がくるとすればそれは東が僕を嫌いになったとき

だから安心してほしい・・・



「もう時間だ・・行かなくちゃ」

「っ待って、藤」



暖かい温もりと共に唇が触れた

離れた時にはお互い笑って










      「「バイバイ」」










ありがとう。



08 完


(120630)



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