あの空の下でもう1度。 06



「明日さ、会えるの最後かも」


東京に行く3日前

お互い都合の良い日が明日以外無く前々からこの日は絶対会おうと決めていた


それなのに・・・

「「ごめん藤・・・明日どうしても外せない用事ができて」」

「・・え?」

何それ・・・

この間は大丈夫って言ったじゃん

「・・これが最後なのに?そんなに大事な事なの?」

「「ん・・・ごめん」」

「・・・解った、もう知らないから」

東が何か言いかけたがそれを遮る様に電話を切った


喧嘩がしたい訳じゃない

本当は「用事ができたなら仕方無いね」と言って諦めたかった

だけど約束したのに会えない何て辛くて悲しくてどうしても素直になれなかった

素直に「会いたかった」と言えたら

もっと我慢できたら・・


今ならまだ謝れば間に合うかも知れない

だけど自分のプライドがそれを許さなかった


喧嘩したまま行きたくないのにたった一言「ごめん」と口に出せないなんて・・・


せめて素直になりたくて携帯を取り出した

電話を掛けると何コールしても出て貰えず留守電へと繋がった

あんな事言ったのだから仕方無いと思いつつ留守電にメッセージを残した



「東、会いたかったよ・・楽しみにしてたんだよ・・・ずっと好きだからね」



言い終わると通話を切り、寂しさから膝を抱えて泣いた。



06 完


(120618)



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